アレルギー内科とは
アレルギー内科では、アレルゲン(抗原:アレルギー症状を引き起こす原因物質)により起こるとされる、目、鼻、耳、気管支などの様々な症状(アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息など)について、診察、治療を行います。
人間には元々、ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入した際に、これらを撃退する免疫機能というのが備わっています。ただ、この機能は、時として体に害を与えないもの(食物や花粉など)にまで過剰に反応することがあり、そのことで自身を傷つける症状が起きることがあります。これをアレルギーと言います。
検査について
問診や視診・触診、患者様の訴えなどから総合的に判断してアレルギーによる症状が疑われる場合は、アレルギーの原因物質を特定する採血検査を行います。
アレルギー科で扱う主な疾患
花粉症、蕁麻疹、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜疾患、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、薬物アレルギー、アナフィラキシー など
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が主な症状で、症状の好転と悪化を繰り返す皮膚疾患です。もともとアレルギー体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い方が多いです。
お薬の選択、量、使用期間等が適切でなければ、皮膚の炎症をしっかり抑えることはできないうえ、自己判断で対応するとすぐに悪化するリスクがあります。
また、アトピー性皮膚炎の方はアレルギー体質の方が多く、自宅や職場など環境の問題があることがあります。良い状態と悪い状態の波をできるだけ小さくするために定期的な通院が必要です。
サイバインコ
サイバインコ®(アブロシチニブ)は、服用時間の制限がない1日1回の飲み薬です。2021年9月に製造販売承認され、同年12月に発売されました。 50㎎・100mg・200mgの3剤形があります。
服用できる方
ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤などで適切な治療を継続しても、十分な効果が得られず、炎症を伴う皮疹が広範囲におよぶ12歳以上の方が対象になります。
サイバインコ®の作用機序
サイバインコ®はJAK阻害薬と呼ばれる治療薬です。JAK1を選択的に阻害することによって、TNFαやIL-6による炎症を抑え、アトピー性皮膚炎を抑制するものです。
サイバインコ®の治療費
サイバインコ50ml
1日1錠 30日分処方の場合 | |
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3割負担 | 35,470円 |
自費 | 130,342円 |
サイバインコ100ml
1日1錠 30日分処方の場合 | |
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3割負担 | 39,310円 |
自費 | 144,133円 |
サイバインコ200ml
1日1錠 30日分処方の場合 | |
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3割負担 | 58,570円 |
自費 | 214,753円 |
デュピクセント
アトピー性皮膚炎では、「IL-4」と「IL-13」等のサイトカインという物質が皮膚の内側に炎症を起こします。デュピクセントはこれらのタンパク質(IL-4、IL-13)の働きを直接抑えることで、炎症反応を抑制します。炎症反応を抑えることで、かゆみや皮疹などの症状も改善します。デュピクセント®は、アトピー性皮膚炎の主な要因、「炎症」「かゆみ」「バリア機能」の3つすべてに作用が期待できます。
適用となる方
- アトピー性皮膚炎の症状が中等症、重症の方
- 抗炎症外用薬(ステロイド外用剤、プロトピック軟膏など)を一定期間投与しても、充分な効果が得られなかった方
- 生後6か月以上の方
導入に注意が必要な方・導入できない方
以下に該当する方は投与が難しい場合があります。詳しくはお問合せください。
- 寄生虫感染がある方
- 生ワクチン接種予定がある方
- 妊婦あるいは妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 高齢者、生後6か月未満の方
- アレルギー疾患(喘息等)をお持ちの方
- デュピクセントの成分に対し、アレルギー反応を起こした事がある方
デュピクセント使用時は、抗炎症外用薬や保湿外用薬の継続使用が大切です。
(外用薬の使用など、基本的な治療やスキンケア継続が原則となります)。
治療の流れ
初めて導入される方
初めての方はまず診察から行います。それまでの治療経過を踏まえて、デュピクセントの治療が適用になるか判断します。そのうえで治療を行うかをご検討いただき、治療を行うことになりましたら、デュピクセントの投与を開始します。
治療方法
デュピクセントは「皮下注射」で投与します。
1本の注射の容量は300mgで、初回のみ2本(600mg)を注射します。その後しばらくは2週間に1本注射を継続し、経過を見ます。
※デュピクセント投与をご希望の際は、ご予約をお願いいたします。
デュピクセントは通常冷蔵庫で保管しており、45分以上前に適温に戻す必要があります。
自己注射について
医師により適用可能と判断された場合は、自己注射が可能です。
最大3ヶ月分までの処方が可能なので、3ヶ月に1度の受診で済みます。
ただし、最低2回の事前指導を院内で受けていただく必要があり、指導料が別途発生します。あらかじめご了承ください。
デュピクセントの治療費
デュピクセント300mlペン
2本処方の場合 | |
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3割負担 | 37,570円 |
自費 | 133,472円 |
デュピクセント300mlシリンジ
2本処方の場合 | |
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3割負担 | 37,450円 |
自費 | 137,324円 |
ミチーガ
ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(有効成分:ネモリズマブ)は、IL-31をターゲットにした日本初・世界初のヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体である生物学的製剤です。IL-31はアトピー性皮膚炎の「かゆみ」を引き起こすサイトカインです。
2022年3月に製造販売承認され、8月8日に発売されました。
ミチーガは、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの原因となる物質のうち、IL-31(インターロイキン31)の働きを抑止することでアトピー性皮膚炎のかゆみに対策する薬です。
mitigate(軽減する)とitch(痒み)を組み合わせてMitigate the Itch(かゆみを和らげる)が名前の由来であり、アトピー性皮膚炎患者をかゆみから解放し、快適な毎日を過ごしてほしいという思いが込められたものです。
ミチーガ®の適応となる方
従来のアトピー性皮膚炎の塗り薬や抗アレルギー剤で治療を行っても症状が改善しない、13歳以上の方が使用できます。
投与の前にかゆみや皮疹の重症度を確認する必要があります。まずはお問合せください。
ミチーガ®の投与に注意が必要な方
以下の方は主治医にご相談ください。
- 妊娠中、妊娠している可能性のある方
- 授乳中の方
- ステロイド内服療法を長期に渡り受けている方
ミチーガ®の副作用
- ヘルペス感染、蜂窩織炎、膿痂疹、上気道炎などの全身の感染症
- 皮膚症状の悪化
- 過敏症や注射部位の内出血や赤み等
ミチーガ®の投与方法
1回60mgを4週間の間隔で皮下投与します。
ミチーガ®の治療費
ミチーガ60mlシリンジ
1本処方の場合 | |
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3割負担 | 35,470円 |
自費 | 130,342円 |
Clinic summary医院概要
- 診療科目
- 一般内科、呼吸器・アレルギー内科・消化器科、循環器内科、心療内科、在宅医療、デイケア、婦人科検診、予防接種、健康診断
- 住所
- 〒321-4341
栃木県真岡市高勢町3丁目203-1 - TEL
- 0285-80-1000
- お支払方法
- 各種クレジットカード・電子マネーをご利用できます
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:00~12:30 | |||||||
14:00~15:00 | △ | △ | △ | △ | ※ | - | |
15:00~17:30 | - | - |
△:予約外来
※:13:00~14:00 予約外来
〇:受付は診療終了時間の30分前までとなります